うずまき (ビッグコミックススペシャル)
映画が先か漫画が先か忘れてしまったのですが、この度購入して読み返したところ知らなかった話が随分あることに気付きました。もしかしたら3巻で出ていた時に読み残していたのかも。
私は「富江」の初期あたりの伊藤潤二さんの作品が好きなのですが、この「うずまき」は妙に心魅かれるものがあり、もしやこれは渦巻きに侵食されているのかもしれません。。。
分厚いページすべてに渦巻く「うずまき」。しばらく離れられそうにありません。
弱々しいながら、桐絵がピンチの時には必ず助けに来るスーパーヒーロー・秀一。
台風にまで恋される美しき桐絵。(ショートカットの方がカワイイと思います)
桐絵と秀一のその後、気になりますね〜。できれば二人どこかで幸せになっていて欲しいです。
DRAMADAS 伊藤潤二+山上たつひこの謎さがし 戦慄の旋律/おろし金にしろい指 [DVD]
「戦慄の旋律」と「おろし金に白い指」
ともに漫画原作があります。
ホラー的あおりのジャケットですが、どちらもホラージャンルに分類してしまうのは難しい作品。主人公が日常のひとつのアイテムからふとしたはずみでその謎に迫っていくというのは共通。
戦慄の方は時間も短く、やや直球のサイコホラー?でしょうか。聴く者を例外なく虜にしてしまうタイトルも歌手も不明なスキャットのアナログレコードが題材。どうしてもそれを自分のものにしたくなり、友人から盗んでしまう主人公、逃亡の途中で彼女はそのレコードの秘密を知ってしまうことに。そして…
おろし金に比べるとすっきりとまとまっていて、きっちり終わります。
おろし金の方は、不条理ミステリーといった趣で、基本シリアスな作品でありながら原作者の不条理ギャグテイストが色濃く出ている作品。連続ドラマ形式の1時間程度の尺。何度見直しても謎が残るあたり、不条理でしか片付けられない部分があります。
主人公は二世代同居世帯の専業主婦、姑さえいなければ…という環境です。そういう専業主婦を冒険に駆り立てるアイテムは、あまりにも切れ味の鋭いおろし金。時を同じくして実家に戻ってきている義理の妹や最近出没する下着泥棒といった要素も主婦の冒険をあと押ししていきます。
結局は謎は謎のまま、解決するのは全然別件だけという結末、もやもやさせてくれます。
ラストの熊用のわななどドラマ的には完全に蛇足ですが、原作者テイストを出すには不可欠だったりして評価の難しいところなのです。
どちらも後のJホラーブームを支えたスタッフの20年以上前の作品です。
長い夢 特別版 [DVD]
実はホラーは大の苦手で内心ドキドキしながら見ました。でも、ホラーでなく奇怪でどこか切ないお話しでした。Higuchinsky監督の毒を含んだ世界観が妖しく広がり夢に侵されて変貌を遂げていく姿は恐ろしくもどこか、かわいらしさを感じてしまいました。堀内正美さんの”目”どこか無機質に響く”声”が作品に効果的に作用していました。ドラマ作品ということですが、切ない余韻を残すいい作品でした。ホラーがダメな方にもお勧めです!