ちばてつや--漫画家生活55周年記念号
ちばてつやの漫画家55周年を記念した特集号。
ちばてつやのロングインタビューや有名漫画家の寄稿、
作品紹介が掲載されている。
寄稿で面白かったのが江口寿史。
ちばてつやに対する熱い想いが伝わってくるし、
「人間を丹念に描く作家だ」との評も納得できる。
のたり松太郎の田中とか鉄平の親父とか濃いもんね。
ところどころにちばてつやの作品のシーンがあって
それを見るだけでも楽しめる。
個人的には鉄平が東大寺学園の学食でおでんを食べるシーンが
とても懐かしくて楽しい。
あしたのジョー <Blu-ray>スタンダード・エディション
初めからブルーレイ単品の販売には好感が持てます。
価格も邦画としては一般的に思えます。
(洋画ではだいぶ値崩れして相対的に割高に感じますが)
キャストの努力とビジュアルは最高だと思います。
映画館で予告編を見た時は相当衝撃でした。
まさかこれほどイメージを再現しているとは!
・・・しかしいざ映画を見てみると、期待が大きかったせいか今一つの観はぬぐえませんでした。
ママゴト 2 (ビームコミックス)
この巻では前半、引き続き映子ママと失踪中の親友滋子から預かった5歳児「タイジ」の新鮮な毎日を描き、後半では、主人公の映子ママが一度失った子供(実子。嬰児の内に事故死)を再度失う事(滋子が引き取りに戻る)になる悲劇を描いて居ますが、それだけでは終わりません。
別離後の映子には自暴自棄の様でどこかタイジに与えられた誇りが見えます。
反面、滋子がタイジと共に身を寄せたチャントメント研究所は思想・信仰絡みの実験農場風危うさが溢れていて(ここのおっちゃん、怖い)今後の彼等、特にタイジの事がとても心配になります。
半端な大人、酔っ払いが多々出て来ますが、滋子情報目当てで店に来る子煩悩な借金取りの親父が実に良い味を出しています。
ひとつだけ引用させて頂くと彼が映子ママに語った我が子の事と「自分が信じとる者の言う事を信じるんのは当たり前じゃろ。」の一言には泣けました。
ママゴトと言う題名からすると俗っぽいメロドラマの様ですが、良質です。
心地良い広島弁のリズム、所々に出て来る黒い一言ギャグは相変わらずの切れ味。
女性向けですが中年親父が読んでも泣けます。お薦めです。
あしたのジョー2 Blu-ray Disc BOX1
学生の頃、劇場版アニメで「あしたのジョー」と「2」が公開され、それから数年後TVアニメーション化されたこの「あしたのジョー2」は、以前NHKBSの「アニメ夜話」でとりあげられていましたが、それまでのアニメに限らず現在は定着したキャラクターの線が細くなっているのは、「あしたのジョー」にはタッチしていませんが宮崎駿の影響がそれまでのたくさんのアニメの線の太かったキャラクターたちを一新させたそうです。また出崎氏の特徴として、「止め絵」や「繰り返しショット」などもあげられていて、この作品でもいかんなく効果的に発揮されています。
監督の出崎氏作画監督の杉野氏の功績もとても大きかったと思います。原作の泥臭さを廃(それがコミックの魅力でもあったとも思いますが)し、少年ではなく「少年から青年へと成長していく矢吹丈」として描かれ、力石を死なせてしまったトラウマに苦しみもがいてあがき、そしてカーロス・リベラというこれまた魅力的なキャラクターとのスパーリングでかつて力石からうけたジョーいわく「骨がバラバラになるようないいパンチ」をもらった事思い出し、ジョーがファイティングポーズをとっていることからカーロスはジョーと再びスパーリングをします。そして、嘔吐することを克服していくジョー。立ち直ったジョーも凄いですが、カーロスも器の大きな男だと思いました。
ジョーの凄いところは、ボクシングに全身全霊を捧げているだけでなく、孤児で放浪者で何事も1人で決断しなければならなかったであろうことからくる年齢を超えた人生経験があったでしょうし、せっかちで白黒はっきりつけなければ気がすまない性分でもあり、また正義感が強く、ドヤ街のこどもたちにもしたわれていて、陽気に時には調子にのっておどけているジョーも大好きです。そしてまたあの負けん気の強さに惚れ惚れしてしまいます。
金竜飛戦の前に金側がジョーの生い立ちについて「東京上野の孤児院を拠点として…」と語るシーンがありますが、ジョーは放浪できるような歳になるまでは東京で育ったわけで、上野っていったら下町で、あの威勢のいい胸がすっとするような口調の数々は下町言葉なのでは(もしかして、江戸っ子)?そうすると、ジョーのせっかちだったりする性質などがよく理解できるのです。そしてそれが、東京生まれのあおい輝彦さんと実にマッチしていて、あおいさんは山の手の品のいい坊ちゃんという面影がありますが、あおいさんも下町言葉には触れる機会はたくさんあったのではないでしょうか。だからあんなにもジョーのアフレコが自然なんだと思いました。マンモス西は関西弁(と、一口に言っても東京言葉と同じようにたくさんの種類がありますが)ですし、「あしたのジョー」とは、単なるスポ根モノではくくれない、ジョーを初めとして、登場人物1人1人の背景にドラマを推察できるように創られていて、群像ドラマである事にも気づかされました。ですから、これだけ長きにわたって多くの観る者の支持を受け、また新しいファンを魅了しているだと思いました。
こども時代に過酷な経験をして以来飢えを感じることができなくなったという金龍飛との試合で、力石はジョーと戦うため自ら減量のために水も飲まなかったとジョーが力石を思い出し突破口を見つけていくシーンも素晴らしかった。また、回想シーンで何回か登場する力石がとってもカッコイイ!
ジョーにとってのコミニケーション手段は、ボクシングを通して成り立っているように思えました。緩急をつけたストーリー展開とともに魅せられます。ジョー=あおい輝彦氏、丹下段平=故・藤岡重慶氏は当たり前ですが不動の2人ですね。
またなぜ力石は死ななければならなかったのかについては、80年代に出版された橋本治の漫画評論「熱血シュークリーム」において、「力石はバンタムまでの過酷な減量などで、主人公矢吹丈の魅力を上回ってしまったからだ」と書かれていました。コミックが描かれた時代背景もあったでしょうが、ボクシングの素晴らしさと過酷さを描いた、そしてそれにすべてをかけた矢吹丈と「泪橋を逆に渡ろう」と言った丹下段平の生きがいでもあった矢吹丈…。もしかしたら人は誰でも寝食を忘れるほど夢中になれるものがあれば、人からどう思われようと燃えながら生きる、それこそがその人にとって最高の幸福な人生ではないかと思いました。
※ジョーのモデルになったのは元ボクサーの故・「たこ八郎」説がありますが95年に出版された「あしたのジョーの大秘密」(高取英・著)によると、原作者梶原一騎(高森朝雄)の自叙伝「男の星座」での大山倍達との会話で、早稲田大学の学生から彗星のようにデビューしたピストン堀口は、半ダース打たれれば1ダース打ち返すというまさにジョータイプのボクサーで、戦争がなければ初の世界チャンピオンになれたほどの逸材だったそうですが、打たれすぎてその結果、重度のパンチドランカーになり、酔っ払って線路を歩いているところを列車にはねられて亡くなったそうです。生前、たこ八郎はジョー自分説に「俺知らないよ」と言っていたとか。
EMOTION the Best あしたのジョー2 DVD-BOX 2
週1回のアニメでわくわくさせられたボクシングアニメ!
丈にとって最愛のライバル力石徹をリング内事故で失い失意の丈・・原作ではドヤ周りの八百長試合をしながらその蜩をしていたが2ではJBL(日本ボクシング規定に触れてしまうため「八百長試合」に関する部分がすべて削除されている)
なんだかんだで涙橋の丹下ボクシングジムに戻ってくる丈・・ただ力石徹氏を事故といえ死なせたという心理面で「テンプル」を打てないボクサーとして心の致命傷が表に出てしまい再びボクシングから遠ざかるのが普通人なんだが矢吹丈はちがった・・
時を同じにしてメキシコからあの「カーロスリベラ」氏を連れてくる白木のお嬢さんここから先は作品を見てみてくださいな^^