101回目のプロポーズ (角川文庫―ニュースタンダード・コレクション)
野島伸二『101回目のプロポーズ』
91年に放送された武田鉄也、浅野温子、江口洋介、田中律子などが出演していたドラマの原作本である。
さえない中年の星野達郎が100回目のお見合いで矢吹薫に出会い、
「僕は死にません…あなたが好きだから」というやつである。
ちなみに原作では「あなたが好きだから」というセリフはない。
薫の妹が、昔の恋人である真壁さんのセリフ
「僕は誓う、50年後の君も今と変わらず愛している」を
達郎に教えたことをきっかけに、
達郎と薫は婚約するものの、
真壁さんそっくりの藤井部長が現れ、
薫は藤井に魅かれてしまい、達郎との婚約は破棄することに。
それを契機に達郎は会社を辞め、
司法試験合格と薫を取り戻すことを目標に頑張り、
司法試験終了後に達郎は薫にこう告げる。
「合格発表の日、もし合格していたら、教会に指輪を置いておきますので、
もし僕のところに戻る気があるなら、その指輪をつけて会いに来てほしい」
…
いやしかしやっぱり薫のリボンの騎士である尚人はかっこよすぎである。
まあ実に15年前の中学生のときに見たドラマであるが、
読んでいるとこれが結構そのシーンをはっきりと思い浮かんでくる。
なつかしい。
このドラマをまた見てみたいと思ったが、
DVDは全巻セットで18000円、
昔のドラマでも結構高いなあ。
101回目のプロポーズ 4 [VHS]
ヒーロー武田哲也はヒロイン浅野温子に、100回目のプロポーズをして、ふられる。
しかし、101回目のプロポーズは、命がけの全力投球でなされる。ダスティホフマンの
卒業がおもいだされる。ショパンのポロネーズが、ところどころで、流れる。
チャゲアスの余計なものなどないのさというせりふは、いい。
これは、安い。
101回目のプロポーズ(TVサ
たいていの人はドラマ「101回目のプロポーズ」で西村由紀江を知っただろう。わたしもそのうちの一人だ。
しかし、ヤマハ音楽教室に小さいときから通い、講師にもなっている友だちと話したとき、西村由紀江と同い年で友だちだと言っていた。小さいときから才能が光った彼女のこのアルバムでは、全編音が「綺麗」と表現したい。悲しいはずのショパンの「別れの曲」までもとても美しい。
101回目のプロポーズ [DVD]
シリアスな路線ではなさそう。でも、コメディかというとそうでもない不思議なドラマでした。
しかし、描こうとした思想ははっきりしています。
「人は変われる。」
「愛されることに応えるという愛の形もある。」
これらの言葉に主張される生き方が最後に結実します。
前者は武田鉄矢扮する「星野達郎」のものであり、後者は浅野温子扮する「矢吹薫」のものでした。
少しでも「真壁」に近づくべくピアノを習い、また司法試験を目指して何とか変わろうとする「星野」。
長谷川初範扮する「藤井」に投げかけた「50年後の私をどう思う?」に対する返答から、愛の形を問い直す「薫」。
周囲を固める配役に関しても江口洋介と田中律子の絡みが心地よく、竹内力の去り際も潔く、武田鉄矢が主人公ということもあってコメディのように気楽に観ることの出来る作品ではありますが、あのラストで、「真壁」の思い出のウェディングドレスを着て走るシーンには熱くこみ上げるものがありました。
脚本や演出、出演者の演技に絶妙のバランス、匙かげんをもった作品といえるでしょう。