自由訳 般若心経
この本は、「自由訳」というだけあって、般若心経を逐語的に訳するのではなく、原典に書かれていない内容まで著者の考えに基づき記述することで、思い切った現代語訳を試みている。その点で、「仏教的に誤りのある記述ではないけれど、こんなことまでは般若心経に書いてないのでは?」とも感じる。
もともと短い経典であるから、訳の部分は、詩集のような大きな字で70ページ程度。そのあと、20ページくらいで著者自身の般若心経にまつわる体験が記載されている。あっという間に読める分量である。
般若心経は、数ある経典の中でも特に有名な経典であるが、その意味はわからないという人も多いと思う。この本は、上記のように正確な訳ではないものの、とても読みやすいので、「入門的に簡単に般若心経の意味を知りたい」という人には良いと思う。
希望の木
この本は 雑誌で紹介されていて 知りました。
たった1本だけ残った 松の木の姿が 写真でたくさん 盛り込まれていて 目を惹きます。
ご年配の方向けの 朗読の素材を 探しており これを朗読しました。
『父さんの分まで行きよう。母さんの分まで行きよう。』読んでる私も 泣いてしまい 皆さんも 泣いていました。
祈り~ヘイリー・シングス・ジャパニーズ・ソングス ベスト(初回限定盤)(DVD付)
ヘイリー・ウェステンラさんの美しく澄んだ声に包まれ、和みます。原曲の紹介を含む日本語での楽曲解説も読み甲斐がありました。
千の風になって
美しい本です。写真も、詩も。しかし、ただ美しいだけではない。読んでいくうちに、心が温まり、安らぎ、癒され、いつしか私は泣いていました。
この本の元となった南風椎さんの「1000の風―あとに残された人へ」とは詩(訳)が違います。話し言葉に近い新井さんの方(この本)が素直に入ってきた気がします。もちろん、原文(英詩)も掲載されているので、直接感じたい方にもお勧めできます。
千の風になり、星になり、鳥になり、雪になって魂は「死と再生」を繰り返す。私が死んだらこの詩を読んで欲しい。そして、私は風となって愛する人たちを見守りたいと思います。
自由訳 般若心経 (朝日文庫)
般若心経については現在柳澤桂子氏における訳本が版を重ねている。訳については仏教学的には少々問題があるとはいえ、それをあまりある自分自身の体験に裏打ちされた「空」に対する理解により名訳といってよい。
しかしながら、この本に対しては読了後、私は柳澤訳の書籍ほどの感動を覚えず、むしろ自由訳という名の下に般若心経の主張を破壊してしまっているとしか思えなかった。
般若心経とは「空」とは何かを論じる経典である。他には何も論じていない。にもかかわらずこの著者は自由訳の名の下に「宇宙銀河」や「この世における役割」だのといった全く般若経のテキストと関係ない論点を挿入してしまっている。これらの論点を扱うのは「華厳経」であり般若経ではない。
あとがきを見る限りどうやらその挿入した部分こそ著者が主張したいことらしい。だったら般若心経ではなく華厳経を自由訳の対象にすべきだったと思う。