日本魅録
『キネマ旬報』に連載されている頃から「日本魅録」は楽しみだった。映画・ドラマで活躍の俳優、香川照之さんだが、文章もうまい!撮影現場に居合わせたかのような感動や発見が得られるのだ。映画の撮影現場はもちろん、香川さんの評価が高かった「利家とまつ」の裏話や中国映画出演、タカハタ秀太監督、篠原監督、行定監督、佐々部監督、唐沢寿明、松嶋奈々子、江角マキコ、竹中直人、仲村トオル、長瀬智也・・など映画やドラマ数え切れない人々とのエピソードにはいかに邦画やドラマを真剣に観ていなかったか、一視聴者・観客として何だか申し訳なく思えてくるのだ。最後のオダギリジョーとの対談も読み応えありです。ぜひ手にとってみて下さい。
サヨナラCOLOR~映画のためのうたと音楽~
「サヨナラCOLOR feat. 忌野清志郎」は是非聞くべき。聞いただけで、かならず映画も見たくなります。一曲目から聞いてもいいけど、まずこれ聞いて欲しいですね。ハナレグミの音タイムには劣るが、とても心地いい一枚。
ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う 竹中直人×佐藤寛子 (キネ旬ムック)
袋とじのド迫力ヌードがチラチラ浮かんで思考停止になりそうだけど、ここは気分を抑えて飛距離のある話をしたい。話題の新作映画に関わるムックである訳だけれど、監督の石井隆さんは昭和40年代後半に劇画家として人気を博し、数々の脚本の執筆を経て今は演出家として活躍されている。劇画のスタイルは当初から“映画”を強く意識されていましたから、初志貫徹の“映画作家”と位置付けても何ら無理はないのです。
そんな彼“石井隆”を丸々取り上げた書籍というのは驚くなかれ、(劇画集や映画付随の写真集、“GONINインサイド・ストーリー”などのキャスト主体のものを抜きにして)これまでにたった一冊しかありませんでした。新評社というところから1979年に出された「別冊新評 石井隆の世界」という小型の雑誌だけが真っ向から「批評的」に石井隆を論じて見せた。
キネマ旬報社より発売されたこの度のムックは、“開花の時期”を迎えた女優佐藤寛子さんの魅力を定着させる狙いを持つと共に作家石井隆に着目して切り込んだ二重構成になっている。その意味合いでは丸々全部ではないかもしれないけれど、そこここに像を刻むうっとりと美しく、また果てしなく面妖な佐藤さん演じる“れん”の造形は石井監督の統括する作品世界のまぎれもないヒロインであることから言えば、そして、山根貞男、北川れい子、樋口尚文、秋本鉄次、黒田邦雄といった名だたる批評家たちによる作家論、作品論を前面に押し出していることを素直に受け止めれば、実に30年以上の歳月を経て出された二冊目の「石井隆“本”」に当たるのだし、監督業という位置付けからすれば実質的に初の「映画作家本」なんですね。部数がいくら刷られたか知りませんけど、映画ファンは着目するなり入手しておいて損のない画期的な内実を宿している。
直接このムック本と関係はないけど、……いや、やっぱり大いに連なるところと思えるのだけど、先日の新聞の中に、これまでの作品と重なる描写が多くて新鮮味がない旨のコメントを寄せた映画紹介欄があった。担当記者のなかには映画を作家性で根気よく捉える跳躍力が決定的に抜け落ちてはいないかしらん。今回のムックでも寄稿していた評論家のひとりは石井について「数日間を費やして過去の資料をひっくり返し、二十枚程も原稿をしたためてから臨まないと到底言葉を出せない作家」だと、とあるイベント会場で語っていて鮮烈だったし、その通りだと頷きもしたものだ。もっと絵画的に、多層的に凝視めないと読み切れないまま足元をひらりとすくわれちゃうのが石井隆の映画世界だと思うよ。
このムック本には新作の水先案内人が何人もいてくれる、石井隆という作家についての理解をサポートしてくれる充実した解説や言葉がしかと在ります。キネマ旬報さん、素晴らしい仕事です!拍手!
のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD]
本当にどれも魅力的な音楽で、クラッシックに興味がなかった私でも、本当に楽しめています。
映画の情景を思い浮かべるのも良いですし、原作の漫画を読みながら聞くのも大好物です。
おすすめです!
竹中直人の恋のバカンス DVD-BOX
関東にいた頃、平日の深夜にもかかわらず楽しみに見ていた番組のDVD化。
竹中直人の怪演に引くこともあったけど、
ビシバシステム布施絵里の小芝居が好きでした。
かんさいでは、評価が分かれることと思うが、見て損はない。
ただし、いきなり購入は危険。
まずはレンタルでお試しあれ。