Headhunters
ハービー・ハンコックが1973年に発表したジャズ・フュージョン/ジャズ・ファンクの名盤。まさにハンコックだから出来た一枚。
ジャズという媒体に翻訳する。翻案して支配下におく。それをさも普通のものとして提示する。だので全神経こそ集中することに
なるが複雑な見解は要求されない。呪縛から解放される。させられる。存在しなかった規則に還元してゆく。常に進化し続ける文脈。
主題は文字通り底なしでどうやったってペースに惹き込まれる。それがハンコックという限界体験。
さて参加メンバーを紹介するとね、ベニー・モウピン(tenor and soprano sax, saxello, bass clarinet, alto flute)に
ポール・ジャクソン(electric bass)にハーヴィー・メイソン(drums)にビル・サマーズ(percussion)。この四人がつくる実に下半身にくる
ファンク・ビートがたまらない。あんよが気持ちいい。そして絡むハンコックの考え抜かれ効果的に使われるクラビネットにシンセ、
フェンダー・ローズ・エレクトリック・ピアノからひねり出される浮遊感ある演出。野性と知性の激しい二面性。しかしそもそもハンコック
が二面的でありピアノ演奏ひとつとってもそう。大胆不敵なだけのようで鋭敏な頭脳による裏打ち。デリケートに弾いてるときだって
寛大で夢想的奥行き。急進的に統一させたようにみえてすべては彼だからこその当然の帰結。
さてまず一曲目は15分に及ぶ「Chameleon」。ユニークな名曲。未知に対する意味深長な洞察。二曲目の「Watermelon Man」は1962年に
発表された記念すべき初リーダー作に収録されている代表曲を斬新にアレンジしてみせた。エレクトリックでファンキー。
しかしこの余裕。。この遊び心。。そう、のしあがったんだよ10年で。。
続いては三曲目「Sly」。く〜はやいなあ、しびれるなあ、かっこいいなあってね。互いに高めあいながら拮抗する。そして後半とび抜ける!
フェンダー・ローズによる超絶速弾き!そして、すなわちこれが次作への布石でもある。イメージは常に先に行ってる。
最後に「Vein Melter」。これはもう本当に単純なんだね。緊張と弛緩のあいだに機能化させられて勝手に受け答え。絶妙。らくちん。
いつまでも動いてる。いっしょになってね。消えることはないさ
リヴァー~ジョニ・ミッチェルへのオマージュ
ジョニ自身がジャズからの影響を受けてきたため当然なのですが、彼女の語るようなメロディはジャズ・アレンジにすると本当にしっくりハマるということが再確認できたアルバムです。
そして、多作かつ様々な音を出すハービーの場合、ピアニストとしてよりもコンポーザー/セルフ・プロデューサーとしてのインパクトの方がどうしても僕には強烈に感じられてきた訳ですが、本作品では非常に澄んだ、そして繊細なピアノを聴かせてくれます。この人の場合、同じピアノという楽器でも、アルバムによってタッチや音質をカメレオンのように変化させるんだけど、逆にその何でもできちゃうところがピアニストとして一聴してビギナーでも分かりやすい個性を発しない理由にもなってると思うんですよね。で、本作を聴いて、「ああ、この人はやっぱり良いピアニストだったんだな」と、これまた当たり前のことを思い出したというか(笑)。特に弱音でのこの透明度の高さは、本当に身も心も洗われるような爽やかな気分にしてくれます。
1曲歌ってるジョニ自身も含めて各参加ミュージシャン達も皆さん良い仕事してますが、かつてジョニとロマンスがあったレナード・コーエンを引っ張り出してポエトリー・リーディングさせる企画力もニクイですね。ボーナスが一曲多い日本盤の方が勿論オススメです。
Jazz & City ‾V-music‾ [Blu-ray]
JAZZが好きで、ちょっとアンニュイな中に大人の雰囲気を求めてこのディスクを購入しました。
ニューヨークを中心とした、街の夜の雰囲気が楽しめる、そこそこグッドなディスクです。
見終わって感じるのは、時間が短いことと、音楽の割りにシーンが単調です。
パリやシカゴ、ルート66などバリエーションはあるのですが、意外性が無いのが残念。
期待が大きすぎたのかもしれません。
BD自体が出始めなので、珍しさからこういう物もアリなのでしょうが、そのうち飽きられるかもしれません。
あまりJAZZ好きよりも、ちょっと雰囲気を楽しみたい人向きでしょう。
サラ・ヴォーンwithハービー・ハンコック&フレンズ [DVD]
とにかく良かった。
Send in the clownsが入っていました。
サラの歌うこの曲は最高!!
映像を見られるなんて、感動です。
86年、サラの晩年のものですが、録音状態も良く、本当に買って正解。
高くてもいいから、もっとたくさん入っていたらいいのにと思いました。
ハービー・ハンコック&フレンズ~ジャズ・イン・ミュンヘン・シリーズ~ [DVD]
Herbie&Breckerファンです。彼らのDVDはあまり出てないので、なにげに買い込みました。 ブレッカーまだ髪の毛あります(笑)。 淡々と抑え気味のソロ、内なる狂気を感じさせて鳥肌ものです。 マクファーリンのヴォーカルは、とても楽しい。 そして、2台のベーゼンドルファーでHerbieの演奏というか、自己との対話。 この時代は自動演奏ソフトやシーケンサー記録に重ねあわせという技法の走りだったように思います。 ここでは、純正初期型IBM PC(!)が片方のpfを担当します。 演奏は極めてテンション高いです。 初めの吹き込みに対して、その後の重ねあわせ演奏は、最初にこんなことまで考えてたのかぃ!ってツッコむほど舌を巻きます。 どちらも収録されてるのが思考過程まで判って秀逸。 ブレッカーのソロ展開にしても、ハービーにしてもどんな頭してんのやら、私らアマチュアには太刀打ちできましぇん。 で、このDVDは歴史的にも面白く、お勧めですぅ。