悪魔のオロロン (1) (ウィングス・コミックス)
大魔王オロロンと、千秋。 オロロンがものすごくカッコイイのと、 作者のセンスの良さがにじみ出ている作品です。 読むとかなりの確立ではまります。 この話が完結されてからも、続編も出ているので、きっと満足できるはずです。 テーマは「自分が生きるために殺しても良いのか」 ぐりっときます。
是非読んでみてください。
高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)
ニートやワーキング・プアといった問題は、「本人の努力が足りない」みたいに、とかく本人の責任に帰属されがちなように思われる。
しかし実際のところ、時代背景や社会制度の影響はとんでもなく大きいと思うわけだ。
大学に入り、そこからさらに勉強を重ね院に進学し、遂には博士号をゲットしたとしても、
待ち受けているのは就職難とそれに伴うワーキング・プアとしての人生。
本人の努力が足りなかったのか?
いやいや、努力は人一倍続けていたのだ。それでもこの現実。
普段はあまり知る機会のない「博士」の実情は、思っていたよりも深刻なものだった。
著者は研究員として働いているようだが、その状況で自らの業界を批判するのは勇気のいることだろう。
それだけでも価値があることだ。
一方で、著者が「環境」の影響を重視している点については賛否が分かれるところだろう。
大学院生ともなれば、年齢的には充分すぎるほどの「大人」であるのは間違いない。
自分の意思と判断で行動が可能となる代わりに、その責を負うのも自分自身である。
だから、「本人の努力が足りない」という主張はそれなりに、直観的には理解が出来るのだ。
しかしながら「本人の努力」に全てを帰属させることで、何が解決するのかという点において疑問がある。
「で、目の前の困っている人をどうすんの?」という問題は残り続ける。
著者の主張はむしろ、偏りがちな「自己責任」に対抗するための、「環境」という視座を
提示していると見ることが出来るのではなかろうかと思った。
努力も環境もバランスが大切なのはもちろんなのだけど。
現役院生や、進学希望者は必読。読んで知ること自体に意義がある書籍でしょう。
ホームレス博士 派遣村・ブラック企業化する大学院 (光文社新書)
前作「高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)」に続き
大学院卒後の就職難の現状についての書。昔から険しい道であることは承知の上、あえて苦難の
道を選び研究する人生を選択してきたものだが、国の政策と大学側の経営絡みから大学院の
”大安売り”をした結果、大量の博士を生み出し、ただでさえ狭き門の研究者ポストに就けない
博士が大増殖している現状が指摘されています。
国の大学院拡大政策が始まる以前も、博士と言えど「使える者」と「使えない者」がおり、
拡大政策により「使えない者」が大幅に増えたという実態、つまり博士の質が大幅に下がった
という実態もあるはずです。
また筆者は大学の環境心理学・環境行動論が専門の大学の非常勤講師で、いわゆる理系・実験系
ではないので、その方面の切り口、つまりポスドクで渡り歩く実態紹介が少ないのも残念です。
加えて、第2部後半は宗教講話的な抽象論、「このような事態も縁として受け入れる」という
仏道、悟りを開いて?終わってしまっており、消化不良というか肩すかしな終わり方です。
等々、前作から他の方の指摘も多々あるところですが、このような闇の部分を勇気を持って
公表してくれたことは評価に値します。特に大学院進学を考えている学部生や親には有益な
情報だと思います。
昔から「大学院を卒業し博士になれば研究者になれる、大学教員になれる」などとは
真っ当な学生は思っていませんでした。国の無責任な大学院拡大政策や大学の口車に学生が
盲目的に乗って幻想を抱かないよう期待します。
狂い咲きの花 (5) (Wings comics)
<ばく>でこの作家さんに魅せられ、手に取ってみました。
三日前に読み終えたのですが、未だに胸が締め付けられるようです。ラストシーンはもちろん、全巻を通してこんなに切ない場面てんこ盛りな漫画は初めてなんです。
眠さを我慢しながら徹夜して最終巻を読んだ漫画はそうはありません。(多分<バナナフィッシュ>や<ベルばら>以来なんじゃないでしょうか、、、)
このような、虚ろな目をした人物の手足が極細で長い絵柄は、スタイリッシュではある反面
キャラたちが始終無表情のままのが多いと思い込んできましたが、この作家さんの絵はとても表情が生きています。(中には無表情な登場人物もいるという感じです。)
ただ、星が4つになったのは、神への神秘感がなくなってしまう展開が私としてはとても拍子抜けなことでしたからです。 急に世界観がSF的になるのはどうかと思います。 同じ結末に辿り着くにもなにか他に方法があったのではないでしょうか。
でも、これはあくまでこの5巻への厳しめの評価であり、作品全体はいつまでも私のベスト10内に残ること間違いありません。
不純 (Feelコミックス)
主人公の桜が非常にいいキャラです。友達になりたい。美人なのに男運が悪くて中身はおっさん…ありがちな設定ですがこの作家さんが書くとなぜかお洒落に。シリアスと笑いの切り替えも絶妙です。となりに住んでる桜の教え子、士郎くん(中学生)も素敵です。クールかつシャイ(なのか…)。自分ちの隣に居たら超可愛がるのに。士郎くんの一途な想いが届くように見守りたいです。 また、この作者さん!一部では違うペンネームでマンガを書かれていると言われてます。昔の作品は胸が抉られるような作品ばかりでしたが、未だ保存してある。かなり好きだった…。つい手書き文字を比べたりしました。 真偽はわかりませんが、別人でもこの作品はおもしろかった。