アクチュール 2012年 1月号 No.27
生田斗真くんの巻頭特集のギラっとこっちを見る目が最高でした。
NHKの「あさいち」でも、昔のこと話してましたけど、
「あぐり」の時とかのことを結構詳しく語っていて、
これ結構貴重な発言じゃないかな、と。
オーランド・ブルームの顔になりてぇ…って、
ないものねだりだね。今のままで十分。
オリジナル・サウンドトラック 「SOUND of The Sky Crawlers」
作曲家の川井憲次さんが映画のパンフで「今までの押井監督の作品は絵とシンクロするよりも、俯瞰で見ているような位置に音楽がありましたが、今作は風景やキャラクターの心情に近い場所にするよう監督からリクエストがありました」と語る通り、正に映像と表裏一体で主人公達の心情、映画の世界観を表現したとても素晴らしい音楽でした。
今はベートーヴェンやラフマニノフらのクラシックを主に聴いていますが、過去のアニメーション音楽では、久石譲氏の交響詩アリオン、三枝成章氏の逆襲のシャアのサントラ、が映像と離して音楽として最も素晴らしいと思ってきました(10年以上聴いてないですが)。ですが、このサントラ音楽は映画の世界観(深み)の表現という点で、それらを凌いでいるかもしれません。
「マザーウォーター」 [DVD]
ドラマ『すいか』以降、そのスタッフの内、二人がかかわる作品を追いかけています。
一人は、脚本家の木皿泉氏。
もう一人が本作の企画・霞澤花子氏。『かもめ食堂』『めがね』『2クール』『プール』はすべてそうです。
以前「ピクトアップ 2006年 04月号」という雑誌で『かもめ食堂』に関する霞澤氏のインタビューが掲載され、単なる企画だけではなく、実際は総合プロデュースもしていたと書かれていました。おそらくは、本作もそうなのではないでしょうか。
今回はメインの女優さん4人が『すいか』のレギュラー(光石研さんもゲストで出演されていました)。何よりも、そこに反応してしまいました。そして、『かもめ食堂』などと同様、物語のない物語、不思議でゆったりとした「日常」の描写。「日常」の描写で押し切るのは難しいことなのでしょうが、そこにこそ面白さがあると思います。舞台は京都ですが、観光地でない「日常」の京都の風景も楽しいです。
波乱万丈の物語が悪いとは思いませんが、こういった、ゆったりとした時間を描いた、心地よい“退屈”さを持った作品も大切だと思います。
雪と氷の旋律
初期のエンヤの音楽は、氷の刃で北風を切るような、厳しく鋭かったように思います。
しかし、しだいに暖かみを増して、ふっくらとしてきました。
この『And Winter Came...』(日本題『雪と氷の旋律』)は、
題名とジャッケットからは、冷たい雪のような作品を思い浮かべるでしょうが、
「冬が来た」は、「冬来たりなば春遠からじ」の意味です。
当初は、クリスマス・アルバムとして企画されたそうですが、普遍的な冬の音楽となりました。
クリスマスと言えば、「冬至の祭り」が起源とも言われています。
「冬至」とは、昼が最も短く、夜が最も長い日のことです。
冬の最も深い日で、冬の最後の日ですが、同時に、
心楽しく春を迎える最初の日とも言えます。
内容的にも冷たさと暖かさが混在しています。
いままでになかったユーモラスなところもあります。(8、11)
もちろんエンヤらしい癒しの音にもあふれています。
うれしいのは、最後の『きよしこの夜(イーハ・ヒューイン) 』が、美しいコーラス録音になっていることです。
エンヤといえば、録音がよいので、オーディオマニア必携です。
声も楽器もエンヤが一人で演奏して、重ね録りしています。
通常、多重録音は、音が劣化するものですが、すべて直接音のように明瞭に録音されています。
今回は、録音も重厚で暖かみがあり、特に低音が豊かで響きが美しいと思いました。
硫黄島からの手紙 (特製BOX付 初回限定版) [DVD]
仕事の関係で、アメリカで見ました。最初は、日本人との戦争映画ですので、誰も見に来ていないと思っていたら、大違いで、アメリカ人で満員でした。日本時らしき人はほとんどいませんでした。映画が始まると、かつては敵であったはずの日本人の二宮に共感しているような、ため息や笑いなどがでてきていました。かつて、太平洋戦争を日本人の視点で描いた映画でアメリカ人を共感させる映画は無かったと思います。現在の平和な日本では想像できませんが、自分の愛する人、国を守るために戦って死んでいった人たちのことを忘れてはいけないと思いました。20歳前後のころに「将軍突撃せり」を読み、栗林中将のことはよく知っていましたが、映画を通じて彼の生き様を鮮明に理解できました。硫黄島の地下壕に入った私の経験から、映画での硫黄島の地下壕の温度や湿度は実際のものとは異なっていますが、そこに描かれる人間像はリアリティーがあるのではないでしょうか。ぜひ、現在の日本人に見てほしい、できればアメリカに滞在するマイクホンダなどの日系人にも見てほしいと思いました。