藩校早春賦 (集英社文庫)
とっても爽やかで明るい作品だ。
作者名からして固いイメージがあったがとんでもなかった(笑)
清々しい青春小説の佳作と言えそうです。
舞台は東海地方の某藩、藩校の建設から始まって厳しい階級社会の中でもまれて成長して行く3人の姿がとっても印象的である。
3人(新吾・太郎佐衛門・仙之助)をいろんなエピソードを交えて描いている。
3人とも階級や性格が違っていてそれが作品の中で上手く生かされている点は見逃せない。
御家騒動や、恋心を抱くシーン、あるいは剣客シーンなど読みどころ一杯過ぎて困ってしまいます(笑)
まっすぐに生きている3人はもちろんのこと、脇を固める登場人物もバラエティに富んでいて素晴らしく特に真吾の隣に住む志保との恋模様が続編(『夏雲あがれ』!)以降どう展開されるかとっても楽しみとなりました。
“正義の素晴らしさを教えてくれる1冊”と言えそうです。
早春物語 廉価(期間限定) [DVD]
恋愛に憧れる普通の女子高生が偶然出会った中年男に惹かれるのだが、
その中年男は亡き母の元彼だと知る・・・ といった出来すぎな話。
久しぶりに観てみたが、ラストまで魅入ってしまった(笑)
あのアイドル女優の原田知世が下着1枚にされたとか、初めてのキスシーンが痛々しいとか公開当時も話題になったよな。
昔はそうは感じなかったのだが、原田知世の声や語り口が実に可愛い。現代の若手女優には出せない味だね。しんみり・・・
・・・80年代サイコー。懐古主義で悪いか!(笑)
北物語
いち早くこの曲を耳にしました。五木さん すごい!その一言。本当に 唄というのは「丁寧に唄える」ものなのだなーという印象。もちろん五木さんのような 超ベテランだけにできるレベルなのでしょうが・・・そんな感動を最初に覚えました。つまり 歌詞のどの部分を聞いても 歌の中 北への道を歩く女性の姿が見える! うーすごい! 五木さんが 歌唱の世界のトップランナーだということを 再認識するCDです。
早春 その他 (文春文庫)
珍しい、藤沢周平の現代小説「早春」に、時代物二つとエッセイからなる薄い本です。
解説の桶谷秀昭がはっきりのべているように、現代小説の「早春」それ自体は、凡作だと思う。悪い話しではないが、正直藤沢周平の時代物、ここに収められている二作に比べても、取り立てて言うような話ではない。
ただ、それと知らずに読めば、何とも言えないペーソスのある、それなりの秀作と言うかもしれない。おいおい、すぐ前に凡作と言ったではないかと言うが、それは藤沢周平の時代物の放つ光に比べて、凡作と言わざるを得ない、と言う意味であって、この作品それ自体はもちろん、面白いものではあると言うこと。
と言うことで、他に収められている二つの短い時代物と、作品作りの背景、こだわりに関するエッセイの面白さをかって、これはこれとして藤沢フアンとしても、カイであることは事実です。
Piano Stories
久石譲の開くコンサートはいつも「Piano Stories」という名称がついている。「Piano Stories」は彼の作品を語る上で重要な位置に座していると言っても過言ではない。「ピアノストーリーズ」-それは彼の音楽のコンセプトである。
1988年、そんな彼がこれまでに世に出した映画音楽をピアノで弾いてみた。それがこのアルバム。全体がピアノソロ(「A Summer's Day」は別の楽器-シンセか?-も入っているがあくまでもピアノが全面に出ている)で表現された、題名通り、一つの物語を思わせるような心地よい作品。特に「The Wind Forest」「Innocent」「Fantasia(for Nausicaa)」はそれぞれ「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」「風の谷のナウシカ」からとられたもので、宮崎駿作品が好きな人も絶対満足すると思う。
また、トラック2「Resphoina」はアニメーション映画「アリオン」の中の曲で、名曲中の名曲。因みに「W Nocturne」「Lady of Spring」「Green Requiem」「The Twilight Shore」の各曲はそれぞれ「Wの悲劇」「早春物語」「グリーンレクイエム」「恋人たちの時刻」の映画音楽。彼の音楽活動の広さを感じさせる。
ピアノソロということでシンプルに聞こえるかもしれないが、すべての曲が美しい旋律で聴けば聴くほど聴いてみたくなる、久石音楽の「ご飯」的アルバムである。これを持っていないと本当の久石譲ファンではない…というのは言い過ぎかもしれないが、すべての人に聴いていただきたい。本作品は発売元のレーベル消滅により廃盤となっていたが、復刻されることに。久石譲の音楽を愛する人々の想いが通じる結果となった。