ドビュッシー・リサイタル
田中希代子さんは60年台に活躍されたピアニストですが、病が若い気鋭のピアニストから表現手段を奪い引退を余儀なくさせました。田中さんは引退後は後進の育成に力を発揮され、96年に64歳でこの世を去られました。田部京子さんとかが愛弟子です。いま、AVEXから売り出し中の菊池洋子さんは最後のお弟子さんだそうです。60〜70年台にN響のコンマスをされた田中千香士さんは弟さんです。
さて、この「子供の領分」は、私にとっては思い出のある盤で、私が中学生の頃である70年台前半に親から買い与えられたものです。私は、この盤をきっかけにしてフランス音楽にのめり込んで行きました。録音はそのさらに10年前の61年。70年には既に田中さんの指は動かなくなっていたとのことです。(当時はLPでした。ちなみに今日、当時のLPを手に入れようとするとヤフオクで10万円くらいします)
演奏は、聴いていると自然に体が動き出すような、生理的に無理のない演奏で、かつワイセンベルグのように点描画を描いていくような正確なリズムが緊張感を作り出し、うまいバランスの上に成り立っています。
なお、日本人の女流で、田中さんの演奏に匹敵する演奏はその後見当たりません。(キキ柏木さんという方の演奏は、次点に推薦できると思いますが・・・)
ドビュッシー:前奏曲集第1巻&第2巻
2006年の、
NHKのスーパーピアノレッスンで
講師を務めるミシェル・ベロフ。
誰にでもデビューアルバムは存在しますが、
このドビュッシーの前奏曲全集がまさに
1970年に鮮烈デビューを果たしたアルバムです。
まだ当時は
フランスの巨匠たち(フランソワ、ギーセンクなど)
の奏でるドビュッシーが基本とされていた時代に、
ベロフのシャープな切れ味のする解釈は、
その後の演奏にも多大な影響を与えました。
私もドビュッシー初体験がこの【前奏曲集】でした。
もう、25年前の話ですね。
ベロフは右手を故障して、
一時期指揮者として活動し、
現在の演奏に幅を利かせるようになりました。
(ピアノレッスンを見ていると顕著です)
二度目のレコーディングは
デビューアルバムと基本的な解釈は変わらず、
シャープな切れ味に大らかなゆとりを感じます。
どちらも名演としてお勧めしますが、
やはり、若干20歳の鮮烈デビュー盤は
いつ聞いても新鮮です。
※このアルバム以降のEMIレコーディングは音が悪い。。。
GT roman 1 (SPコミックス コンパクト)
西風「GTroman」vol.1を読了。旧車を愛する人々の車に対する思いを漫画にするとこうなります。本巻は素晴らしい作品集です。新車にはない、旧車の魅力。わかる人、感じる人には堪らない世界観です。
罪を着せられフィアンセを失い13年の投獄生活を強制された主人公シラノ・バンスタインの復讐を描いた作品です。
後半に進むほど戦闘が魔法に頼るようになる、マップがやや複雑で移動するときに注意を要することが欠点といえば欠点です。しかし、3つに分かれるマルチ・エンディングであることは評価できるでしょう。また音楽が大変すばらしく、この音楽だけを録ってCDに焼いてもいいんじゃない、と思えるくらいです。グラフィックも結構よくできていて、パソコンゲームとしては上位クラスです。
また、ただの翻訳で終わっていないところもいい!僕は既に韓国語版をやっていますが、日本語版のほうがよくできていると思います。細かいバグも修正されているし、キャラクターイラストも綺麗になっていいです。RPGはストーリだ!という方は絶対に買い! 最近の世の中のゲームは本当に大事なことを忘れていると嘆いているゲーム哲学者の方も無条件買い! いずれにも当たらない方もとにかく買い!
XPの方ならWindowsを98に再インストールしてでもやる価値があります。 ハイ!