金曜日の妻たちへ (〔1〕 上) (角川文庫 (6185))
これは昭和58年代の人気番組の小説です。不倫なんていつの時代も変わらないけれど、ちょっぴりリッチな頃の不倫のお話。田園都市線、中央林間を舞台にした3組の夫婦のお話。楽しんでください
金曜日の妻たちへ DVD-BOX
DVDで観られるとは。シリーズ化されたが、個人的には第一作が一押し。「風に吹かれて」のせつないメロディーとともに、あの場面、この場面が思い出されて、無性に懐かしくなった。
郊外のお洒落な一戸建てに住む三十代から四十代の夫婦三組が織り成す人間模様だが、お互いにしょっちゅう行き来しあう大人の友達関係が、当時学生だった私にはまぶしかった。スキー旅行に出かけた六人が、二人三脚のように肩を組んで歩くシーンが象徴的だった。夫婦の不仲、夫の浮気、友情の危機といったさまざまな波乱をふくんだ関係ながらも、お互いに気心が知れていて、信頼しあった仲間だからこそ、結局はわかりあえる。そんな大人の関係が肌理細やかに描かれている。
泉谷しげるの役所勤め役も必見。個人的には加藤健一事務所の舞台の長年のファンなので、若かりし頃のカトケンさんが三枚目の役で出ているのも要チェック!!
飯島敏宏 「ウルトラマン」から「金曜日の妻たちへ」(仮)
2011年7月をもって1953年のテレビ放送開始以来使われていたアナログ波が止波。過去にも白黒からカラーなど時代の移り変わりはありましたが、一斉に切り替わるようなことはありませんでした。今年はテレビ界にとって大きな節目の年になります。
そんな折テレビの草創期から現場に携わってきた飯島敏弘さんについての本が出版されるのはある意味、象徴的です。飯島さんはNHKの和田勉、TBSの同僚だった今野勉らに比べて一般的な認知度ははるかに低いといわざるを得ませんが「知る人ぞ知る」敏腕職人的テレビマンです。一般的知名度はやはり「芸術祭」などの賞を取れるテレビマンです。でもテレビはやはり娯楽。テレビの前の人を以下に楽しませることが出来るかが勝負です。飯島さんはそれが出来る職人的テレビマンでした。「ウルトラマン」の製作は前例のない巨大ヒーローということで基本的な設定もかなりあやふやなまま手探りの状態でスタート。そんな中でスペシュウム光線の発射ポーズなど各種の今では定番のパターンといえるものをき作り出したのは飯島さんの功績が大きかったようです。「ウルトラマン」の監督というとこの書にも登場する実相寺昭雄氏の一味違った作品群が高く評価されますが、そのベースには飯島さんのような基本を押さえた正統派の娯楽作品が有らばこそ。お互いにその存在を尊重しあっていたことも知られています。
それ以外の草創期生ドラマ時代の話や、慶応大学時代の試験(当該の野球部部員は佐々木信也と藤田元司のことであろう)の笑えるエピソードなど盛りたくさん。巻末には自作の未発表シナリオ集もあって資料的にも充実してます。
しかし時の流れの寂しさも感じざるを得ません。この本に登場する多くの人たちが彼岸の向こうに旅立たれています。同著者が以前に記した円谷一に関する著書は同人が既に個人になられて久しく残された映像作品も少ない中で、関係者の証言を中心にまとめられた良書でしたが、やはり本人直接の取材が出来ると内容がより生き生きしてくるようです。こうしたテレビ黎明期の話を詳しく語れる人たちが少なくなる中で貴重な書物です。
金曜日の妻たちへ (〔1〕 下) (角川文庫 (6186))
田園都市線、中央林間を舞台にした3組の夫婦のお話。なんとなくバブリーな頃のお話なので登場人物もトレンディな感じです。読んでいてそんなに疲れなくほのぼの?した感じです