和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか (講談社現代新書)
タイトルへの筆者なりの答えは分かりやすいものになっています。
ただそれ以上に、詳細に描かれた和田選手の野球人生を読んで欲しいです。
甲子園に出場し、一定の評価を得てはいたものの、
名門早稲田大学でレベルの高さに驚かされた彼が、
いかに努力し、江川の奪三振記録を塗り替えるまでになったのか。
その活躍の背景に興味を惹かれました。
野球選手の卒論が読めるなんてのも滅多に無い機会かもしれません。
こんなにおもしろい行政書士の仕事
同業の大先輩の本。類書の中のベスト。
最近読み返したが非常に参考になりました。
最初に読んだ時はあっさりしてると読み飛ばしました。見落とした箇所のなんと多いことか。
参考になる点が多数あり、読み返す度に発見と深みがあります。
本書は私にとって暗夜を照らす灯台のような本です。著者が物故されたのが惜しまれます。
金森重樹本、丸山学本、そして本書が同業の本の三部作ですが、本書がベストです。
ラテン・アメリカは警告する―「構造改革」日本の未来 (シリーズ「失われた10年」を超えて―ラテン・アメリカの教訓)
景気回復の証左として政府があげる大企業の異常なほどの増益は、
新自由主義的改革による「終わりなきリストラ」「中国・アジア並みの低賃金化」の結果である。
大企業の利益はパーセントで二けた台、三けた台の急増ぶりだが、売上高はわずか1%増に止まっていることからも明らかなように、
トリクル・ダウン効果など机上の空論にすぎない。
大手銀行グループの不良債権問題は峠を越えたとのことである。
貸出金利を据え置いたまま、預金金利を百分の一にすることで、実質的には労せずして百倍の収益を手にした輩たち・・・
この十年ほどで、国民一人当たり10万円も銀行様に強奪されるはめになってしまった・・・控除の効かない税金である。
元大蔵政務次官にして銀行の利益代表者、小泉純一郎は、郵貯・簡保まで、銀行の草刈場にしようと躍起になっている。
バブル崩壊時、儲けた輩は決して自ら語ることはなかった・・・郵政民営化を秘めやかに推進する銀行の格言は、「沈黙は金」である。
極めて少数の勝ち組のみが嗜好する新自由主義とは、大多数を負け組に追い遣った犠牲の上に咲く徒花である。
投資効率を確保できるフロンティア領域の喪失が顕著な現在、「大企業・銀行」は、
「中小企業や家計部門」への向かうはずだった資金を遮断することで溜め込んだ余剰資金をどうしたいというのだろうか?
宮崎学氏が述べたように、この資本主義の修正(新自由主義)が、新しい反資本主義の理念の母胎になると確信した次第である。
ユダヤ人の脅威―アメリカ軍の反ユダヤ主義
この著作は、19世紀末から第2次世界大戦にかけてのアメリカ軍に存在した反ユダヤ主義を、軍情報部の秘密資料を中心とする膨大な資料を解読して提示した著者渾身の力作。ナチスの反ユダヤ主義が強調されがちであるが、ナチスに敵対していたアメリカ上層部にも根強い反ユダヤ主義は存在した。こういったアメリカにおける反ユダヤ主義は、9.11の同時多発テロ以降も形を変えて継承されている。「文明の衝突」を批判する向きもあるが、本書を読めば、「文明の衝突」が現在の紛争の根底にあることが確認できよう。
外国人のための雇用・受入れ手続マニュアル
本書は、外国人の在留資格の件は勿論のこと、初めて従業員を雇用するのに避けて通れない労働保険・雇用保険といった部分から、帰国時を含む外国人の社員の税務に至るまで、説明されている。
一連の外国人雇用に関するシームレスな説明になるべく工夫が感じられる。
いきなり外国人を雇用するベンチャー事業主や、雇用に難しさを感じる中小企業診断士には、非常に役立つだろう。