死霊(1) (講談社文芸文庫)
難解な小説だと思われているようだが、「首猛夫です。首ったけ、と覚えてください」と言うなど奇妙な登場人物が次々と現れて、奇妙なことを言う、何か奇妙で面白い小説である。ドストエフスキーより埴谷のほうが偉いと言う人もいるくらいである。野間宏なんぞよりずっと面白い。ご賞味あれ。
死霊(1)
一昨年亡くなった池田晶子さんが、いみじくも言っていたとおり「死霊」は童話です。誤解を招く表現かもしれませんが、多様な感受性を喚起するという点において、この作品はファンタジーだと思います。マルクスとかドストエフキーは、あんまり気にしない方がいいかも。
埴谷雄高
尋常ナッシングな読書魔っぷり&独自の切り口で対象をピックって対照する稀有センス持ちまくりな鶴見俊輔が、戦後文学のドン、埴谷雄高を論じまくった一冊っす!過去にLYRICった論文(あの大作『共同研究 転向』収録の論文&雄高の政治観論じったもの2つっす!)に、雄高&俊輔&精神科医の河井隼雄の三つ巴対談、&雄高死後に行われた俊輔&高橋源一郎との対談、長編『死霊』論にエッセイ、そして爽やかな読後感伝えMAX!な雄高へ捧ぐ詩「大阪夏の陣」等が収められとりまっす!トランプゥ〜で云うところのジョーカー的ポジション、キィ〜プって半世紀にわたり『死霊』書き続けた雄高に、文明開化ぁ〜った後の進歩進歩、YEAH!!な日本社会へ対して観念的懐疑越えた生理的違和感抱き続けてたであろう感溢れまくりな俊輔さんが共感&ディ〜プな関心持ちMAX!だったことが窺われるリキのこもった一冊っす!他のレビュァ〜の方も仰られているように、本書用の書き下ろしノッシングな点は微残念っすが、代わりに加藤憲洋さんの約60枚余りの雄高&俊輔論が収められとりまっす!雄高に取り組む上では、かなりサイコッ!な導きの書でもあるっしょ!やっぱ鶴俊&雄高、サイコサイコサイコッ!!YEAH!!!!