硫黄島からの手紙 (特製BOX付 初回限定版) [DVD]
日本人がのんびりお涙頂戴映画から脱却できないからアメリカ人に先を越されてしまった。日本人として恥ずかしいです。「パールハーバー」や「SAYURI」とは雲泥の差の時代考証、当時の日本へのリサーチ。多少言葉使いが気になるもののもし全て当時の言葉遣いでやっていたら当の日本人にも理解しにくくなってしまっていただろう。アメリカ人の監督なのに平気でアメリカ兵が捕虜を射殺するシーンを入れたり、戦史やドキュメンタリーとしてではなくあくまで戦争で人生や人格を変えられていった人達を淡々と描きながら「衛生兵を狙え」とか海岸を兵と物資で埋め尽くしすまでわざと攻撃せず逃げ場を作らないようにしてから攻撃する戦争の非情さも忘れていません。イーストウッド演出には脱帽です。
武器の考証も正確です。最も米兵を倒した武器といわれる「92式重機関銃」も大活躍。加瀬亮の使う94式自動拳銃も無骨な後期生産型でした。こういった考証のできる日本人がいないというのも変な話です。
新選組 ! 完全版 第壱集 DVD-BOX
1年間見たと言うよりも一緒に生きた感じがするドラマでした。私は、多摩編が特に好きです。納豆談義や近藤夫妻の可愛らしさ、歳三の女たらし振り、かっちゃんの笑顔もうみんな愛おしいです。先が判っているから、京都なんか行かなくて良いよー!と「新撰組!」なのに思ってしまいました。もちろん京都編も大好きなんですけど。1年しか見ていないけど、役者さんも老けメイクなんかしていないけど、ちゃんと心で、10年経ったんだなと思えるドラマでした。本当にガチャガチャしていて不完全で楽しかった!愛しています!!
彦馬がゆく
amazonのユーザーの皆さんに朗報です。(株)PARCOから発売されているパルコ・プロデュースによる三谷幸喜の一連の傑作舞台ライヴが、DVD−ROMとのコンテンツではありますが、当amazonでも購入可能となりました。
今や演劇界のみならず、映画、テレビ、出版と八面六臂の活躍を見せる三谷ですが、彼は劇作家ゆえ、その真骨頂は、言うまでもなく舞台にこそあります。
東京サンシャイン・ボーイズ時代から、その舞台を追い続けている者として、いつも感心するのは、ほぼ毎年打たれる新作が例外なく面白いと言う事実です。
今回、amazonで購入出来る作品群は、三谷がテレビや映画の媒体でも成功し、広く世間にその名を知らしめてからの作品ばかり。
チケットを取るのもひと苦労なその作品群を殆ど総てライヴにて鑑賞し、またDVDも所有しているコアなファンとして、関心を持たれる方に、どの作品からご紹介しようかと考えた挙げ句チョイスしたのが「彦馬がゆく」です。
江戸末期の浅草、当時としては画期的な写真撮影を生業とする神田写真館の人々。
家長の彦馬(小日向文世)に妻の菊(松金よね子)、長男陽一郎(伊原剛志)、次男金之介(筒井道隆)、それにひとり娘の小豆(酒井美紀)からなる賑やかにして微笑ましい名もなき一家が目撃する激動の幕末期。
写真館だけに、時の有力者たちが相次いで訪問。その顔ぶれも、坂本龍馬、桂小五郎、西郷隆盛、高杉晋作、伊藤博文、近藤勇、つまり、その後の“歴史”を作った錚々たる面々。
幕末を動かした偉人たちが右往左往する全5幕。計3時間半にも及ぶ長編です。
とにかく、三谷らしい軽妙な台詞の応酬とテンポ良い展開が絶妙。
幕末から明治維新を疾風の如く駆け抜けた偉人たちも、三谷の手に掛ると、どれもデフォルメされるだけではなく、極めて人間的なキャラクターと転じます。
その滑稽さと情けなさ、でも、みな愛すべきひとりの人間として描かれているんです。
温水洋一の西郷隆盛、梶原善の桂小五郎なんて、そのキャラ像だけで、笑いがこみ上げてきます。
NHK「新撰組」とはまた違う三谷流幕末ドラマ、大いに笑わされながら、時代の濁流にのみ込まれながら、幕末を生き抜いたのは偉人たちばかりではなく、庶民もまたそれぞれに強く生きていたとの思いを感じさせます。
「それでは、人生で一番愉快だった日の事を思い出して下さい」
「メリー・クリスマシ!」
「左から〜、ひとり置いて、〜」
ご鑑賞された方たちなら思わずニンマリしてしまう事請合いの数々の名セリフと共に、三谷の傑作舞台をどうぞお楽しみ下さい。
(付記)今商品ソフトは、飽くまでDVD−ROM版ですのでお間違えのないように!
DVD版を購入したい方は、PARCO通販にて可能です。