宇宙戦争 (創元SF文庫)
本作の成立や受容、評価については本書の訳者あとがきに言い尽くされていると思うので(東京創元社のHPで閲読可能)、「面白かった」以外に何か付け加えるのは難しい。あえて重複を恐れずにコメントすれば…
原題"The War of The Worlds"とは、地球という一つの世界の上での諸国間の戦いではない、地球と火星の戦いを意味しているわけだが、それでいて"The War of The Planets"でもないところがミソ。ある文明とそれとは全く異質の、しかしながら同格の次元にある文明との戦いであることを伝えている。
実際、多くのページが割かれているのが、火星人というヤツらがいかに我々人類とは違った存在か、にもかかわらずいかに進んだ文明を打ち建てているか、そして、生物として社会として優位にあるのは我々と火星人のどちらなのかについての科学色の強い記述であり、その記述も、例えば進化論や生態系の破壊、植民地主義等々地球上の実態と絡め実に説得力があって、つぶさに考証すれば疑問も出てくるのだろうが、筆運びのうまさがそれを感じさせない。お気に入りは以下のくだり。
「そして彼らの装具に関して、人間にとってなによりも驚くべきことは、人間の機械装置であればほぼ例外なく主要な特徴であるものが欠けているという興味深い事実である―つまり、『車輪』が欠けているのだ。(中略)火星人は車輪を知らなかった(これは信じがたい)か、車輪の使用を避けたばかりではなく、その機械装置に固定された旋回軸、あるいは比較的固定された旋回軸を使って円運動を平面上で直線運動に変える方法を不思議なことに採用していなかった。」(p.219。傍点を『』に変更。)
いかがだろうか?私見では、火星人文明の言いようもなく不気味な異質さが(これまた不気味な火星人の生態がつぶさに描写された後であるにもかかわらず)恐ろしくリアルに立ち上がってくる文章、三島由紀夫が『小説とは何か』で「たった一行のおかげで見事な小説となる」と語ったのは、こういう文章ではないかと思う。
つまり本作は優れて文明論的な地の文が面白いのであって(都市災害の描写の凄まじさや人間ドラマの迫力は言わずもがな)、数種ある映画版も有名なオーソン・ウェルズのラジオ・ドラマも原作の軒を借りただけ、それなりの面白さは別として、本作を読み終わった時に受ける感銘は希薄に終わっているのも無理はない(小説の映画化・ドラマ化は良かれ悪しかれ皆そんなものだが)。火星人が地球の細菌によって滅ぶ一見あっけない結末も、当時としては異端と言えるほどにヴィクトリアニズムから解放されたウェルズの、飽くまで人類進化史上の一事件(クロマニヨン人対ネアンデルタール人のような)として物語を描こうというクールな視点によるものだろう。
翻訳はいたって上質、丁寧。決定版と言っていい。これさえあれば、例えば読み易さ優先で訳を端折っていると思しき部分も散見されるハヤカワ版などは不要であろう。
それにしても、ホルスト『惑星』中の『火星』は確かにこの物語にぴったりのBGMだと思う。廃墟となったロンドンに平和が訪れる結末には『金星』。やがて主人公のモノローグが重なり、音楽とともに静かに終幕。暗転した後、再び回帰する『火星』に被ってエンディングのクレジット・ロール…という映画をいつも夢想する。
エンパイア・アース アート・オブ・コンクエスト 拡張版 日本語版
拡張版なので、前作に宇宙が付け加えられています。それと、日本国もでてきています。馬鹿にされているようなキャラクターがですが、ご愛敬ということで楽しんでいます。
本編と会わせると時代の総数が両手両足でないと数えられないほどになる。・・・本編だけでも両手両足必要ですけど。一つしか増えていないから当たり前かな?
グラフィックの向上などはないように見えます。それと、快適に動くように改善されていないので、本編がやっと動くという方は拡張版を入れても、やっと動く状態が続くでしょうね。当たり前ですね。シムシティーの拡張版はそんなことないんですけどね。(シムシティーの拡張版は推奨スペックが下がっているから)
ゲーム内容は、宇宙編の建物などのヒットポイントが格段と上っています。ですので、マルチプレイなどでネット対戦する場合は宇宙に時代が移るのが遅れた場合は一方的にやられそうです。シングルプレイの場合は・・・あまり気にすることはないと思います。宇宙時代に進化するまで、プレイするシナリオはなかったと記憶しています。クリアしたわけではありませんので、すべてを把握できません。
時代が長すぎるので、人によっては、好みが左右されるかもしれません。いくらRTSゲームが好きでも、15も進化する時代があれば、誰でも飽きが来ると思いますしね。それでも、本編だけに比べて、拡張版にはそれなりの国に特徴のある建物や人物が出てきています。国により楽になりそうなのとあまり楽にならない国が出てきていると思います。良いことなのか、悪いことなのか!。
目を引くものがあれば、体験版をしてみると良いと思います。ただし、マルチプレイ専用の体験版だから・・・チュートリアル?はできたと思います。
一応お勧めのゲームです。
宇宙戦争1941 (朝日ノベルズ)
私は架空戦記小説を読みませんので、SF小説としてのレビューです。
タイトルから分かるとおり、H・Gウエルズ、そして作者も書いている小松左京の「見知らぬ明日」へのオマージュ的な作品です。
「見知らぬ明日」に興奮し、読後に不安感を覚えた方にならおすすめです。
昭和16年12月8日、真珠湾に向かう日本海軍の攻撃機が見たものは、異星人から攻撃を受けているハワイの姿だった。
最初からテンションの高いストーリーは、この巻の最後まで続きます。
架空戦記小説の作者らしく、戦闘シーンに肩すかしを食うことはありません。迫力のある描写はさすがです。読ませてくれます。
人類共通の敵を前にして、日米英独の列強諸国がどのような決断をするのか、すべてが明らかになったわけではありません。
次巻以降、現在とは違う「見知らぬ明日」がどのようなものになるのか、とても楽しみです。
宇宙戦争 [DVD]
最近スピルバーグによってリメイクされた宇宙戦争ですが、やはりオリジナルは超えられなかったと思います。
50年以上も前に制作されたものなので、当然最新のCGの映像にはかないません。
しかし、緊張感や絶望感など圧倒的にこちらの方が勝ってます。
宇宙人の乗っているマシンのデザインも素晴らしく、なんともいえない恐怖感をかもし出しています。
最新技術にも負けない、今でも十分楽しめる名作です。
機甲装兵アーモダイン
中古で280円で購入しました
暇つぶしのつもりでしたが普通にハマりました
内容は地味です
機体もかっこいいわけではありません
最近のガンダムのような派手さは皆無です
しかし!そこにリアルさがあるのです
戦争には派手さはいらないと思ってるわたしは無骨な本作の機体が大好きです
登場人物が全員、超人じゃなくて普通の兵士なのがいい
個人的には軍曹大好き