いつか晴れた日に
映画の中で使われた歌が2曲入ってます。残念ながらケイト・ウィンスレットが歌ったものではありません。でも彼女が歌った歌詞も載っていますので一緒に歌う事ができます。全体的にはしっとりとした感じです。晴れた日にというよりは雨の日に本でも読みながら聞きたいそんな一枚ですね。
高慢と偏見 [DVD]
『高慢と偏見』の主な映画は3つある。(1)ローレンス・オリヴィェがダーシーを演じる、1940年版、117分。(2)コリン・ファースがダーシーを演じる、BBC製作の1995年版、302分。(3)キーラ・ナイトレイがリジーを演じる『プライドと偏見』、2005年、127分。三つの中では、5時間をたっぷり使う(2)の本作が断然よい。というのも、『高慢と偏見』は、恋愛の難しさと素晴しさを深く見詰めた作品であり、気持ちの揺れ動きにどうしても時間を必要とするからである。リジーとダーシーは何度も「すれ違い」「離れ」ながらも、その誠実で優れた資質によって、次第に接近してゆく。オースティンが「世界で一番すてきな女の子」として描いたリジーでさえ、ある種の思い込みがあるために、恋は簡単に成就しない。誇り高い二人には、恋愛のハードルはそれだけ高いのだ。二度目のダーシーのプロポーズを受けて、あの聡明で活発なリジーが、ダーシーの眼を見返すことができない。言葉少なに、並んでどこまでも歩く幸せな二人。それを祝福するかのように光溢れる美しい田園の光景。大学の授業でこのDVDを見せたら、学生はみなオースティンを大好きになった。めったにない名画だ。撮影の経過と時代考証を書いた本『The Making of Pride and Prejudice』も、写真が美しいのでお勧め。
いつか晴れた日に [DVD]
ジェーン オースティンの古典的名作を原作とし、主演のエマ トンプソンが脚本しました。姉妹の恋愛表現を対照的に描いていますが、姉をSENSEから解き放つ(もしくはあふれ出す感情の)過程を描いており、ラブロマンス、コスチューム プレイとして最上級の作品です。
映像も素晴らしいです。英国の美しい田園風景と屋敷内の絶妙なアングルによるカット。センスのよいせりふ、行き届いた調度品やインテリア、絶妙な配役と演技。音楽もまた良し。すべてにおいて完成度の高い作品です。見終わって幸せになれる映画であると思います。
どちらかというと、水彩画のような淡い映画ですので、激しい展開を求める方には不満が残るかもしれません。また、コスチューム プレイにアレルギーを感じないことは必要条件です。ヒューグラントを見たい方、宜しいかと思います。パンクでない英国に憧れを持たれる方、貴族の生活(必ずしも楽ではない)を覗きたい方にもお勧めします。
いつか晴れた日に [DVD]
ジェイン・オースティンの『分別と多感』を原作としたロマンス作品。
原作が、『山あり谷ありで、真の愛に落ち着く』という恋愛ドラマの定石を作った
超王道小説ということもあって、この映画もしかりです。
わたしはアン・リー監督の『ラスト、コーション』が好きで、
その流れでたどり着いたのですが、そちらとはまた作風が違っていて
とにかく原作の持つ雰囲気を大切に映画を作っているなあと感じます。
女優陣が、古きよきイギリスの風景をバックに、
ロマンスに振り回される姿も美しく。
特にマリアンヌ演ずるケイト・ウィンスレットが、
恋焦がれるウィルビーの居城を目指して、一面緑の庭を駆け抜け、
豪雨に身をさらしながらシェイクスピアを読み上げる・・・
この一連のシーンには、そこでしか出来ない景色・表現であることが
まざまざと感じられ、感情を揺さぶられました。
いまどきの恋愛映画に多い、政治や世相、サスペンスのエッセンスなんかが
まったく織り交ぜていない(笑)純粋なロマンスが描かれているので
そういった期待をもって観られる方には、ニーズを存分に満たしてくれる、
そんな良作です。
いつか晴れた日に―分別と多感
~ 私は映画でこの作品を知りました。
DVDの特典映像にあったんですが、エマ・トンプソンが受賞の挨拶で、作者が生きていてこの映画を見たらこう評価するにちがいない、と作者の独特の言い回しを使って映画について論じるのを見て、ぜひ本で読んでみたいと思い、買いました。
読んでみると、エリナ(=エリノア)やマリアン(=マリアンヌ)が、話の世界が~~、すぐそこにあるような気がするほど、「近さ」を感じさせ、また出てくる様々な問題はとても生々しくその時代を感じさせると同時に、現代と何ら変わらないことに驚きました。
イギリスの上流社会の世界は独特で、常に財産の問題を抱えていたり、今のような情報化社会ではないにしろ、情報はいつもあふれ、噂好きな(というかそれ以外やることがない?)女た~~ちの様子は、ワイドショーやスキャンダルが好きな現代人とあまり大差なくて、おもわず笑ってしまいます。ものすごく丁寧に嫌味を言い交わしている様子も非常におもしろいです。
映画が先でしたが、本も絶賛してしまいます。何度でも読みたいと思わせる本です。
映画ではいちいち説明されない裏付けや、その時代の常識観が細かく描写されているので、本を~~読んだ後もういちど映画を見てみると、また違った印象になります。
今後はまたほかのジェーン・オースティンの本を購入する予定です!~